一ノ宮とは

日本全国の旧国の国々に一ノ宮を名乗る神社は、68か国のうち97社あります。中には一国に2から3社のところもあるためです。一ノ宮が定められたのは平安初期から鎌倉初期にかけてです。一国の中の主要な神社に等級をつけて、最上位にあるものを一ノ宮と称し、鎌倉時代初期には全国的に一ノ宮が定められました。
 一ノ宮を定めたのは、諸社に布告する場合の便を図るためとか、国司巡拝に際し、代表的なものを参拝するためなど発生由来は諸説あります。古代の制度では国司が神拝といって毎年国内の神位の高い官社を巡拝するのが通例となっていました。後になって主要な神社を選んで参拝するために一ノ宮の名称がつけられた、ともいわれています。また、一ノ宮のほとんどは、延喜式神名帳(905年)に記載されている古い神社です。記載されている神社を式内社と呼び、さらに名神大社、中社、小社という風に社格がわけられています。明治の国家神道になり改めて社格が定められました。神社を官社と諸社に大別し、さらに官社を官幣社と国幣社と分けられ、諸社は府県社以下の神社が属しました。官幣社、国幣社はさらに大中小に分けられ神祇官が祀るのを官幣社、地方官が祀るのを国幣社としました。その流れの中で倭文神社は国幣小社となって現在に至ります。